おどおし!威し!縅し。

株式会社 人形の天明館

2012年03月26日 22:43

まあ鎧のパーツの名称は何かに引っ掛けたり、縁起を担いだり、ちょっと洒落っ気の効いたものが多いと以前述べました。

まっちゃまちの人形店で店員が
「この鎧は〇〇色オドシで・・・・」などと説明していたのを耳にされた方もいらっしゃるかと思います。
店員は専門的な用語を連発しますから、
(それでは初めてご覧になられた方には説明になっていないのですが)、
知らないことは「わかっているフリ」をされる必要はありません。

紐を通して板を綴じ合わせることを「縅(おどし)」と呼んでいます。
これは、
緒(お 紐のこと)を通す  →  緒通し(おどおし)  →  おどし と
相手を威嚇する  「威し」 をかけて、「縅(おどし)」となりました。
紐は糸のものだからでしょうか、一般に 糸偏をつけることが多いようです。

板(正確には「小札板 こざねいた」 この言葉についてはまた後日)の色との組合せで、
画像の鎧でしたら「金小札朱赤糸縅(きんこざねしゅあかいとおどし)」とよぶわけです。



「勝って兜の緒を締めよ」 の格言があります。

兜の緒はそのまんま「締め緒(しめお)」というのですが、
洒落っ気を込めて「忍緒」の字を充てます。
武者にとって耐え難きを忍ぶことは美徳だったのでしょう。
「しのびお」は業界で使われてはいますが、正確ではありません。

「忍緒」に使われる組紐のことを「源氏組紐(げんじくみひも)」といいますが、
これの語源は嘘みたいにいい加減です。

源氏は平家に勝った
   ↓
強いのは源氏
   ↓
この組紐は丈夫で強い 
   ↓
だから源氏組紐

セールストークだったのでしょうか?



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