鯉のぼりも変ったねえ。

株式会社 人形の天明館

2012年03月20日 00:59

全国各地で鯉のぼりは生産されています。

北関東のいわゆる「坂東鯉」
愛知県でも盛んですし、四国の瀬戸内沿岸、岡山県でも。
忘れてはならないのが兵庫県の東条町、今の加東市です。
大阪松屋町の僕たちからすれば、地場の品物という親しみがあります。
どの地域でももともとは農家の冬の副業から始まったようです。

生産量は非常に少ないのですが、大阪堺市の木綿の鯉を作っているところも有名ですね。

一昔前までは鯉の素材はナイロンが主流でした。
安価で軽くよく泳ぐ。
その反面紫外線による繊維の劣化(日焼け、黄変、硬化)が早いというマイナス面もあります。
雨に濡れたからと、濡れたまま取り入れてそれこそ団子のように丸めたまま放置すると、色落ち、色移りもよく見られました。
飾った状態で濡れてしまったら、いっその事、そのまま掲げておいて、晴れて乾くのを待つ方が得策かも知れません。

二十数年前から、ポリエステル製のものが普及しだしました。
ナイロンの弱点をほぼ解消し、色落ちも殆どありません。
繊維自体が柔らかく、風合いも高級感があります。

ツヤのあるサテン織やさらにはちりめん風のジャガード織のものもあります。
ちりめん風で地模様のあるものまで出てきています。
鯉のぼりはだんだん高級感を増してきました。

うろこの金も昔は真鍮粉の刷り込みで、数年すると茶色に変色しましたが、
最近では蒸着加工(ラミネート加工 歯磨き粉のチューブなどに使われている技法)されており、
変色もすくなく、輝きも豪華です。
但し、ドライクリーニングに出すと、きれいに金がなくなってしまいます。ご注意を。

更に汚れにくくする為撥水加工が施されているものも増えています。
勘違いされる方も多いのですが、撥水加工だから、と出しっぱなしにはなさらないで。
前回も述べましたが、所詮外に飾るものです。
繊維の劣化を完全に防ぐと保証するものではありません。
数年間飾る間、できるだけきれいな状態を保つ為、
シミ汚れを少しでも防ぐための処置、とお考え頂いた方がよいでしょう。

お片づけの際、ホコリは払う必要がありますが、むしろ洗濯されない方がいでしょう。
基本的に薬品を繊維に含浸させているわけですから、
洗濯することで効果が薄れてしまいます。

一番安くつくのは撥水加工されていない鯉に、数年に一度防水スプレーを
散布することかも知れません。

洗濯での注意点をもう一つ。
どの鯉のぼりでも洗濯機はご使用にならないで。
ねじれによる傷み、口輪の変形の恐れがあります。

「あんなことしてる、こんなこともしてる」商品はやはり高価になってきます。
機能面では今述べたことをご参考にして頂ければ幸いです。

デザインについては、これはもうお客様が気に入られたのが一番!

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